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兵庫県明石市の田中医院のスタッフブログ
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歩くと長生きしますよというお話

歩く

「1日1万歩」という標語がいつしか浸透していましたが

言われ始めた当時は1日1万歩歩くメリットに対する根拠もあまりなく、歩数を計測する機器の会社が万歩計と名付けた際にその名前に因んで言われ始めたようです。

キリがよいので今では当然のように日常に浸透していますが

一体本当は1日何歩歩けばよいのか?歩くことは健康に繋がるのか?ということをしっかりと追跡調査した研究が2003年から2006年にかけてアメリカで行われたようです。

この研究は米国の一般的な40歳以上の人を対象に1日の歩数と歩行の速さと死亡リスクの関係性を調べたものです。

その結果、1日4000歩を歩く人を基準として、

1日2000歩の人は51%も死亡リスクが高くなりました。

また、心血管疾患による死亡リスクも同じく51%高い結果となりました。

対して6000歩~1万6000歩歩く人は32%~66%、総死亡リスクと心血管疾患による死亡リスクが低下しました。

意外なことに、歩行強度(歩行のスピード)は死亡リスクと関係しませんでした。

ゆっくりでもしっかりと歩数を歩くことが重要なんですね。

おもしろいことに、結果を見ると歩数は多ければ多いほどよいと思いがちですが、実は1万2000歩以上は死亡リスクの低下が打ち止めになるという結果でした。

1万2000歩歩いても1万6000歩歩いても死亡リスクの低下は変わらないということです。

これらの結果からみると、1日1万歩は概ね正しい認識といえるのではないでしょうか。

6000歩でも32%死亡リスクが下がるので、1万歩は無理でもすこしずつ歩数を増やしながらできるだけ歩くことが大切だと思います。

また、これは日本の研究で

京都大学大学院医学研究科の井上浩輔 助教(社会疫学)とカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA
)の津川友介 准教授(医療政策学)らの研究グループが

寝だめならぬ「歩きだめ」が有効かどうかを研究されていて

歩きだめが有効であったという結果が出ています。

つまり、毎日歩かなくても週末の1日または2日だけ8000歩以上歩くという生活でも週3日以上定期的に歩いている人と同等の死亡リスク減少が認められるということです。

これなら平日仕事でなかなか歩くことができなくても、週末に歩くだけでよいのでかなりハードルが下がると思います。

それだけ歩くということは健康のために大切だということですね。

参考サイト

1 週間の歩行パターンと死亡リスクの関連を明らかに
-週 2 回しっかり歩くことで健康は維持できるか?-
JAMA Network Open DOI:10.1001/jamanetworkopen.2023.5174
https://www.kyoto-u.ac.jp/sites/default/files/2023-03/2303_Inoue-2c7b90e67b6a569882ff3d74218663ec.pdf

日本経済新聞
1日8000歩で「死亡リスク半減」 米国で研究報告
https://www.nikkei.com/nstyle-article/DGXMZO61941050X20C20A7000000/

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